自分の見えている姿と相手が見ている自分の姿の違いを認識し、それをフィードバックすることで、「自己成長」が得られるという考え方です。
昨日の記事で紹介した座標軸思考法にも当てはまります。まずはこれを見てください。
<ジョハリの窓>
横軸:自分に分かっているかどうか
縦軸:他人が自分を分かっているかどうか
という2軸で表現された4つの領域を区別しています。
ジョハリの窓とは?
これはコミュニケーション心理学として使われる言葉で、心理学者ジョセフ氏とハリー氏によって考案された「対人関係における気づきのグラフモデル」です。
先に紹介した画像のように自分の姿は次の4つの窓に分類されます。この窓をカメラのフレームとイメージするとわかりやすいと思います。
1.開放の窓(自分にも、他人にも分かっている姿)
ここは自分が考えている姿と、他人に見えている姿が一致している状態を示します。ここの領域が大きければ、誤解のない、円滑なコミュニケーションができるようになります。
2.盲点の窓(他人に分かっているが、自分には分かっていない姿)
「盲点」という名前のとおり、自分に分かっていない領域です。でも他人には分かっている姿。後に紹介しますが、ここから自分へフィードバックすることが重要です。
3.秘密の窓(自分に分かっているが、他人には見せない姿)
「秘密」という名前のとおり、他人に隠している姿です。ここの領域が大きいと、他人とのコミュニケーションが不自然になりがちです。
4.未知の窓(自分にも他人にも分かっていない姿)
誰もが持つ「人間の可能性」です。人には自分の得意分野がありますが、そういう既に経験している領域を超えたところにも可能性があります。未知の領域にチャレンジした結果、人生を大きく変えることになったひとはこの領域を自分のものにしたひとですね。
ジョハリの窓から自己成長を考える
では、このジョハリの窓の使い方を考えてみましょう。自分をいかに成長させるかという視点で見てみます。
基本はいかに「開放の窓」を広げるか?ということです。自分にも他人にも分かっている領域を広げることが自分を成長することになります。ここを広げるためには、他の領域を狭める必要があります。そのためは次の3つの行動が必要となります。
1.自分を隠さない(オープンになること)
「秘密の窓」を狭めることです。これは自分でできる行動です。ありのままの自分でいること。「こうしなければ」とか「他人の目が気になるから」とか、本来の自分がしたい姿を押し込めるような考え方を避けることです。
私は今年から自分のミッションステートメントを決めました。
「自ら有言実行をし、他者の模範となるよう行動する」
このように自分の軸を決めておくと、自分からも他人からもぶれのない行動ができるようになります。これがないと、「本来自分がしたい姿」があやふやになってしまいます。
2.他人のアドバイスをフィードバックする
「盲点の窓」を狭める方法です。これはどんなにがんばっても自分ひとりでは実現できません。なぜなら自分では気づかないことだからです。よって他人からの協力が必要です。友人、家族、同僚、「いろんなひとが知っている自分」を知ることが自己成長に大きく貢献してくれます。これは親しい人からのフィードバックが一番効果があります。
実例1:くらたまなぶ式 自己成長法
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先日「創刊男の仕事術」で有名なくらたまなぶさんの講演を聴くチャンスがありました。その中で、非常に印象に残ったのがこれ。
「1年に一回やるべきこと」
1.最愛のひとをひとり決める
2.年一回聞く日を決める
3.「私のダメなところって何ですか?」と聞く
数々の雑誌で成功をつかんだくらたさんは創刊エンジニア。マーケティングから「クレーム」を知る。それをひっくり返すとアイデアになる。そう。「私のダメなところ」を言ってもらうのもクレームを言ってもらうこと。くらたさんは奥さんから「タバコの吸い過ぎ」を指摘され、25年経って禁煙を実現したそうです。
これを毎年実行することで、大きな成長につながります。ここですべてを受け入れる必要はありません。「留め置く」という考えがあります。頭に留め置くことで、潜在意識がいつか実現してくれます。それはもしかしたら25年後かもしれません。
これを今回のトライ項目としました。
「私のダメなとこって何ですか?」
これをまじめに最愛の妻に聞く。意外と難しいです。本当は昨日聞くつもりだったんですが、聞くのに2日かかりました。
回答日は2/14
と決めました。バレンタインチョコの代わりに答えをもらう予定。チョコも欲しいけど。これを毎年継続していこうと思っています。おそらくムカッとくる内容が想定されます。そこはググとこらえることです。反論してはいけません。
実例2:自分の改善すべきポイントを共有する
「自分の改善すべきポイントは自分で決めない」の経験談を振り返ります。詳細はリンク先の記事参照ください。
09年の抱負とあわせてグループメンバーに宣言してもらいました。そしてその宣言について、ディスカッションしてみました。
その結果、自分が「こうすべき」と考えていたことが、今のままで良いとか、あるいは自分では気づかなかった「こうすべき」というのが見えたり、多くの気づきを得ることができました。まさに、これが「盲点の窓」を小さくすることです。
3.未知へのチャレンジ
最後に「未知の窓」を小さくする努力です。この窓からは自分にも、他人にもわからない姿です。人には誰もが持っている「可能性」です。おそらくこの「未知の窓」はどんなに努力してもゼロにはならないものです。ブラックホールみたいなものでしょうか。
1年前の自分を見つめてみると、私は未知なるチャレンジに踏み込んだように思います。部下をもって3年目に入った自分には、自分の仕事をこなすことしか頭にありませんでした。その後、トラブルが重なり精神的にも肉体的にも追い込まれた結果、「人を動かす」必要性、価値、楽しさに目覚めて、現在このようなブログにアウトプットすることを楽しんでいます。
みなさんも自分では経験したことない、そして他人にも想像がつかないような領域に踏み込んだ自分を想像してみてください。新たな自分を発見できるかもしれません。
「盲点の窓」を狭める努力を継続しよう!それが「開放の窓」を広げてくれる。
復習 Try111:質問の善し悪しをチェックしよう。
復習 Try95:自分のミッションステートメントを作ろう
復習 Scheme16:自分の改善すべきポイントは自分で決めるものではない
復習 Try72:考えるときに眉間にしわを寄せるのはやめよう。
復習 Try30:アサーティブな姿勢を身につけよう.そして自分を理解し,未来を変えていこう.
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テーマ: 資格・スキルアップ・仕事 | ジャンル: ビジネス
コメント
多ぁ忙さん
こんばんは、Okamuraです。
私のコメントから気づきを得られたようで光栄です。
そして私もこの記事から気づきを得ました。
早速私も妻に「僕の嫌いな所ってどこ?」と聞くと
「全部やな」と即答されました(涙)
まだまだ質問力が足りないようです。
ところで現在勉強中のパーソナルブランディングですが、
自分自身を分析する中で、この『ジョハリの窓』が出てきます。
かなり先になると思いますが、チャレンジブログの方で
ジョハリの窓を紹介するつもりです。
その際には、この記事をトラックバックさせてください。
応援トリプルポチッ!
Okamuraさん、コメントありがとうございます。
今日は休日だったので、ゆっくり記事を書くことができました。実は今日の記事は「座標軸思考法」についてまとめるつもりだったんですけど、その中に「ジョハリの窓」も含めるつもりが「ジョハリの窓」がメインになってしまいました。これはOkamuraさんが紹介していた「フォーカス」がジョハリの窓にロックしたからなんだと思います。そのフォーカスからいろいろ思い返してみると、くらたさんの講演の内容がまさに一致していることに気がつき、なかなかうまくまとまったなあと思っています。
「全部やな」という即答は本当の答えではありません。しっかり時間をかけて答えをもらいましょう。くらたさんもそう言っていました。真剣さを伝えることが重要です。
もちろんトラックバック歓迎します。今後ともよろしくお願いします。
「私のダメなとこって何ですか?」と、妻に聞こうとして、なかなか聞けない多ぁ忙さんの姿を想像して、失礼ながら笑ってしまいました。
私はまだ独身ですが、なんとなく気持ちはわかります。(笑)
でも、二日かけてでも、ちゃんと実行に移すところがさすがですね。かっこいいです!
こんばんは。家族にこういう言葉を真剣に聞くことはやっぱり難しいことです。改めて実感。かっこわるいところを想像させてしまいました。でもその通りなんですよね。
実は会社で、この話をするために勇気をしぼって実行しました。実行せずに話ししてもつまらないですからね。
はじめまして♪
ぷよリーヌと申します。
素晴らしい記事だったのでトラックバックさせて頂きました。
(勝手にスミマセン)
頂いたURLだとうまく飛ばなかったので
このページのURLをコピーさせて頂いております。
本当に勉強になるブログです!
また、訪問させて頂きます。
感謝致します
お役に立てたら幸いです。このブログでは「ジョハリの窓」の記事が一番アクセス多いみたいです。
ぷよリーヌさんのブログも拝見しました。
読者をハッピーにしてくれる内容でワクワクしました。
私も今の私を好きになれそう。これが幸せへの第一歩かもしれませんね。
ありがとうございました。
こんにちは。太パパといいます。
たいへん勉強になりました。
事後承諾で申し訳ありませんが、記事を引用させていただきました。
今後も勉強させていただきたいと思い、リンクを貼らせていただきたいとおもいます。
万事よろしくお願いします。
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